中国語学習者の方で、「HSKに挑戦してみよう!」と考えている方は多いのではないでしょうか。
私は先日、『HSK6級』に挑戦してきました。
「6割取れたら合格」ということですが、約7割取れたので、合格といえば合格です!
8割以上取っている人も多いので、そんなに胸を張って言えるスコアではありませんが…。
この記事では、これからHSK6級の勉強を始める方に向けて、私の勉強法を紹介します。
「6割取りたい」人の参考になればうれしいです。

- 29歳で中国語学習をスタート
- 半年間中国留学経験あり
- 仕事で中国出張も経験
- HSK6級合格
HSK6級のレベルと内容
まずは、HSK6級のレベルについて紹介します。
HSK6級のレベル

「HSK6級」は、5,000語かそれ以上の常用単語を習得している者を対象とした試験です。
具体的には、以下のレベルが求められます。
「中国語の音声情報や文字情報を不自由なく理解することができ、自分の意見や見解を流暢な中国語で口頭または書面にて表現することができる」ことが求められます。
HSK日本実行委員会「筆記6級」より
HSK6級の内容
試験内容は、以下のとおり。
聞き取り、読解、作文の配点はそれぞれ100点、合計300点で評価されます。
※ 6割(基準点:180点)以上のスコアで「6級」の能力を有していると判定されます。
HSK6級で、特に難しいと言われているのが「作文」。
約400字の作文を書く必要があります。
聞き取り | 約35分間(放送回数1回) |
読解 | 50分 |
作文 | 問題黙読10分間・作文35分間 |
私の学習期間と1日の勉強時間

私の受験前のレベル、学習期間、1日の勉強時間は、以下のとおり。
- 受験前のレベル:中検2級、7年前に合格
- 今回の学習期間:1ヵ月
- 1日の学習時間:2~3時間
試験勉強と無縁の生活を送っており集中力が続く気がしなかったので、1カ月後の受験を目指すことに。
HSK6級合格のために立てた「作戦」は、次の3つ。
- リスニングに力を入れる。
- 過去問題集は、3回やる。
- 作文は1日30分取り組む。
「読解」はたぶん何とかなるだろうと思って、時間をかけないようにしました。
一方で、私は「リスニングが一番弱い」と感じており、「リスニング」の勉強には時間をかけるようにしました。
「作文」は毎日練習するようにはしたものの、そんなに力は入れなくていいだろう、と判断。
さて、この判断は如何に…。
HSK6級合格に向けた、学習計画

最初にやったことは、進捗度合いを測ることでした。
1時間で問題集を何ページ進めることができるか測定しました。
使用した参考書は後ほど紹介しますが、1時間でできる分量はほぼ決まっています。
それをもとに、試験当日までに問題集を何回繰り返しできるか計算しました。

試験日は決まっているので、できる範囲でがんばるしかない。
集中力が続く気がしなかったので、試験勉強の期間を延ばすということは考えませんでした。
HSK6級に一発合格した、私の勉強法


ここからは、私がやった勉強法について紹介します。
今回使用した参考書・問題集
今回使用した参考書・問題集は、下記の2冊です。
過去問題集は、こちらを購入しました。
5回分収録されています。
私が「弱点」と感じていたリスニングについては、下記の本を利用しました。


HSK6級 「リスニング」の勉強法
個人的に弱点と感じていた「リスニング」。
上記で紹介した問題集を毎日解くことにしました。
25日で一冊終わるように構成されていて、以下の内容を40分で勉強できるように作られています。
- 新出単語を学ぶ(40単語)
- フレーズ音読トレーニング(15フレーズ)
- 単語聞き取りトレーニング
- リスニング問題実践練習(15問)
ただ、正直言って、1日分を40分で終わらせることはできませんでした。
なぜなら、間違えた個所が多すぎて見直しに時間がかかり…。
過去問もやって分かったのは、このトレーニングブックの問題は過去問よりも難しいです!



リスニングの問題文は1回しか読まれないので、難易度高し。
できれば3回繰り返しやりたかったのですが、3回はおろか、2回も十分にできませんでした。
しかも、2回目にやったら1回目よりも聞き取れるようになっているはずなのに、2回目でも恥ずかしいくらい正答率が低かった…。
HSK6級「文法」の勉強法
「文法の間違い探し」問題については、ネイティブでも間違えるくらいトリッキーだと言われています。
「文法問題は捨てる」という人も少なくないようです。
「間違い探し」問題は、1回の試験で合計10題あります。
私は過去問だけやりました。
過去問1回目はチンプンカンプンでした。
2回目になると、半分くらい正しく回答できるように(といっても、答えを覚えてしまっていただけです。)
3回目になると、ほぼ答えを覚えてしまい、正解率がほぼ100%(笑)
こんな感じ。


Onenote でのノート作成方法は、Onenote を使って、中国語学習ノートを作る方法を参考にどうぞ。
HSK6級 「読解」の勉強法
「読解」も、過去問だけやりました。
3回やると、内容も答えも覚えてしまい、正答率は90%くらいに。
読解の問題を読むときは、どんな「接続詞」が使われているのか意識しながら読むのがオススメです。



「作文」で使えそうな接続詞は、紙に書きだしておきました。
HSK6級 「作文」の勉強法
HSK6級で、一番難しいと言われているのが「作文」です。
10分間で文章を黙読し、その後35分間で400字程度の要約を書くというものです。
10分間の黙読で、下記を整理しておきます。
- 誰が
- どこで
- 何をしようとして
- その結果どうなった
- そこから言えること
私は、次の方法で作文の練習をしました。
- 時間は気にしない
- 文章と模範解答も見ながら、要約を書く
- 文がうまく書けない時は、Google翻訳で「日⇒中」に訳し、参考にする
- 時間は気にしない
- 模範解答は見ないで、自分なりに文章を書いてみる
- 文がうまく書けない時は、Google翻訳で「日⇒中」に訳し、参考にする
- 時間を測ってみる
- 何も見ないで、自分で要約文を書いてみる



翻訳精度は、DeepL よりも Google 翻訳の方が良いと感じました。
ちなみに要約を書くときには、いくつかルールがあります。次の点に気をつけて書くようにしました。
- 要約なので、自分の意見を書く必要はなし。
- 400字前後書く必要がある。380字~420字で収まるように書く。
- 1行目にタイトルを書く。4マス以上空ければOK。(中央あたりに書けばOK)
- 段落の先頭は、2マス空ける。
- 日本語の「、」にあたる句点は、「,」を使う。
- 中国語の「、」は、単語を並列で並べるときに使う。(例:A、B、C 和 D)
Google翻訳で何とかなると思い、自分の作文を誰かに添削してもらうことはしませんでした。
過去問を解いたら、点数を記録しておく
過去問を解いたら、毎回必ず点数を出して、メモしておきましょう。
1回目は点数が低いですが、2回目、3回目になると、点数がグッと上がります。
2回目で80点以上取れていたら、3回目は間違えたところだけやるようにしました。
2回目で80点以下のときは、3回目も全問やりました。
試験当日について


いよいよ試験当日。
猫も夫も、私の試験など全く興味なし。
誰からも応援されることなく、寂しく出発です。
持ち物
当日の持ち物は以下のとおり。
- 受験票(写真を貼付)
- 身分証明書(写真付き)
- 筆記用具
- 時計(ピロピロ鳴りそうにない、アナログなものが好ましい)
【重要】気をつけた方がいいこと:身分証明書
身分証明書は、写真付きでないとダメです!!
また、スマホで撮った身分証明書の画像も、もちろんダメです!!
有効な身分証明書がないと、試験を受けられないので、十分に注意してくださいね!!!
【参考】試験当日に知ったこと①リスニングの予備時間
試験当日、初めて知ったこと。
聞き取りの試験終了後に、解答用紙に記入する時間が予備として5分間与えられます。
「聞き取り試験終わり!」と思ったら、意味不明な5分の空白時間があったので、ちょっと焦りました…。
【参考】試験当日に知ったこと②解答用紙のマスが小さすぎ
老眼世代の人で試験を受ける人は少ないかもしれませんが、念のために。
解答用紙のマスが小さすぎて、見るのがしんどいです。
自分の回答を見直そうにも、マスが小さすぎて自分の答えがクリアに見えず。



老眼の方は、メガネ必須です。
試験を受けた感想


最初にお伝えした通り、全体的に7割の出来でした。
「絶対に落ちた」と思ったリスニングで6割以上取れたのは驚きですが、読解で7割しか取れなかったのは残念。
作文は、語彙も貧相でしょぼすぎたので、7割取れてラッキーでした。
まぁ、1カ月の準備期間で十分の出来かなと思います。
これから受験をする方は、中検2級に合格したら、すぐHSK6級を受けた方がいいかもしれません。
私は中検2級に受かってから7年も空いていて、久しぶりに試験勉強をしましたが、試験勉強に慣れていないと勉強はツライです。
おわりに
この記事では、HSK6級の勉強方法を紹介しました。
HSK6級は、6割(基準点:180点)以上のスコアで「6級」の能力を有していると判定されます。
個人的にオススメの学習方法は、「過去問を3回やる」です。
ちなみに HSK を受けたのは、人生でこれが2回目。
1回目は、私が中国に短期留学した15年以上前。そして今回が2回目。老眼になっても勉強しているとは、自分でも予想していなかったです。
上達スピードが驚異の遅さですが、これからも楽しく中国語学習を続けていきたいと思います。