
外資系は「終身雇用」ではないんですよね?
外資系企業は気になりますが、長く働けないのは不安に感じます。
この記事では、このような悩みにお答えします。
本記事の内容
- 終身雇用のメリットとデメリット
- 定年まで働く必要はあるのか?
- 終身雇用の現状
昭和世代の方ならなじみのある言葉、『終身雇用』。
『終身雇用』の会社は、減りつつあります。
「終身雇用は崩壊する」とも言われていますが、これからどうなるのでしょうか。
この記事では、終身雇用のメリット・デメリットと、今後について考えてみたいと思います。
『終身雇用』は、戦後にできた制度


そもそも『終身雇用』は、いつ頃できたかご存じでしょうか?
江戸時代からその原型はあったようですが、現在の『終身雇用』が広まったのは戦後です。
戦後の混乱・貧困にあった労働者がまず生活の安定を求めるようになったこと、そしてその後の高度経済成長を背景に現代のような年功序列、終身雇用が定着していきました。
三菱UFJ投信「日本型の「終身雇用」はいつから始まった?働き方の歴史と未来の姿とは」



高度経済成長期って、いつ?
高度経済成長期は、今から約70年前。
実質経済成長率のグラフに重ねてみると、高度経済成長期はこのグラフの一番左にあります。


世界は大きく変化しましたが、日本の雇用制度は驚くほど変わっていません。
70年前に普及した『年功序列』と『終身雇用』は、ようやく最近になって見直されています。
終身雇用のメリット


そんな『終身雇用』のメリットをおさらいしておきましょう。
終身雇用のメリットとしては、このような点が挙げられます。
▼終身雇用のメリット
- 安定した収入
- 安定した雇用
- 会社への帰属意識
安定した収入
何といっても、安定した収入が保障される点が終身雇用のメリットです。
経済的な不安を常に抱える生活は、しんどいですからね。
安定して収入が得られるのは、心の安定につながります。
安定した雇用
安定した収入が確保される前提は、雇用も守られているということ。
転職活動もする必要ないですし、とにかくこの会社にいればお給料がもらえます。
人間は誰しも「心身ともに健康でかつ経済的にも安定した暮らしをしたい」と思いますよね。
終身雇用の会社にいれば、余計な不安に悩まされず幸せな生活を送れます。
会社への帰属意識
昭和の時代は「定年まで同じ会社で働く」のが当たり前。
社宅に住み、会社で遅くまで働き、休日には会社の運動会やイベントがあるのは、日本企業ではありふれた光景でした。
「自分の会社はいい会社だ」と思う方が、幸せに生きられます。
会社への帰属意識が高くないと、しんどすぎる生活ですからね…。
終身雇用のデメリット


何となく「昭和の良き香り」が漂う『終身雇用』。
しかし時代は、もう令和。
終身雇用にはデメリットも…。
終身雇用のデメリットとして挙げられているのは、次の点です。
▼終身雇用のデメリット
- 努力しなくなる
- 若いうちは評価されない
- 自分の意思でキャリアを選択できない
- 多様な人材が集まりにくい
努力しなくなる
がんばらなくても雇用が守られると思うと、努力しなくなります。
がんばっても評価されないと労働意欲が低下するのは、理解できますよね。
「頑張っても利潤が平等に分配されて労働意欲が低下し、生産性の低下・経済効率の悪化につながった。」とは、かつての中国や旧ソ連の問題点。
何となく状況が似てる気が…。
若いうちは年収が不当に低い
終身雇用と年功序列はセットで運用されたわけですが、年功序列だと若いうちは年収がメチャクチャ低い。
「50代になったら、年収がグイッと上がるぞ」と言われて、20年、30年後のパラダイスを夢見て働き続けたワケです。
でも、今は20年後がどうなっているかなんて誰も読めない時代。
20年後に会社が残ってるかも分からないのに、「50代になったら、年収がグイッと上がるぞ」と言われても、説得力ないですよね…。
自分の意思でキャリアを選択できない
終身雇用の場合、会社があなたのキャリアを決めます。
会社に逆らうこともできず、会社の指示に従って、あれやこれやと働きます。
定年退職したときは、「会社のためにサラリーマン人生を捧げた」としみじみと感じることでしょう。
多様な人材が集まりにくい
会社は、自社にフィットしそうな『似たようなタイプ』を採用します。
社員教育は会社がやりますから、そんなにとびぬけた才能がある人は必要ありません。
定年まで働くある?





そうはいっても、長く働いたら退職金が貰えるので辞めたくないですよ。
日本企業の退職金の平均額は、ざっくり言うと大企業で2000万円、中小企業で1000万円程度です。
これは 40年間同じ会社で働いた場合のケースです。
(引用:りそなグループ「退職金の相場はどれくらい?大企業・中小企業、業種、勤続年数による違いも解説」)
でも 2000万円を得るのに、40年も同じ会社で働く必要はあるでしょうか?
今の年収を上げれば、もっと早く仕事を辞められます。
たとえば年収を100万円上げれば、20年で退職金の2000万円は貯まります。
▼転職して年収が100万円以上アップした人の割合
・外資系企業に転職した人の74%
・日系企業に転職した人の64%


(参考:エンワールド「年収800万円以上の外資系・日系企業社員における 「転職による年収・キャリアの変化」実態調査」)
日本企業と外資系企業の平均年収
また、外資系企業に転職した場合、もっと短期間で「大企業の退職金2000万円」は得られます。
日本企業の平均年収は以下のとおり。(参考:国税庁「平均給与」)
・資本金2,000万円未満の株式会社においては425万円
・資本金10億円以上の株式会社においては635万円
一方、外資系企業の平均年収は約800万円。(参考:RGF「外資系企業の年収(給料)は本当に高い?」)
現在年収600万円の人が外資に転職して年収を200万上げた場合、10年で「大企業の退職金2000万円」分は貯められます。
▼給料の累積額(年収600万円 vs. 800万円)


年収が高ければ、40年も働かずに「退職金2000万円」は貯まりますから、定年まで働く必要性もありません。
退職金は、本当に魅力的でしょうかね…?
終身雇用は今後どうなる?


いかがでしょうか。
私は『終身雇用制はいずれ終わる』と思っています。
そのタイミングは分かりませんが、時代の変化が激しいので、思ったよりも早いかもしれません。
実際、以下のような変化がすでに起きています。
日本社会の衰退
これについては、特に2021年以降からやたら聞くようになりました。
「人口減少」がいよいよ現実的になってきたという話とセットで聞くことが多いですね。
いろんな意見が出ていますが、あなたはどう感じていますか?
ジョブ型雇用の増加
また最近増えてきているのが「ジョブ型雇用」。
これまでの日本の雇用方式をやめて、欧米式に変えようという流れです。
欧米には「終身雇用」も「年功序列」もありませんから、これらの制度は廃止されることになるでしょう。
転職する人の増加
転職する人は、確実に増加しています。
転職する人が増えるということは、定年まで同じ会社で働く人の割合も減るということです。
少数の人のためだけに退職金制度を残すことは、おそらくないでしょう。
将来的には、たとえ40年同じ会社で働いたとしても、退職金制度はなくなると思います。
あなたは終身雇用の会社で働きたいですか?
以上、『終身雇用』のメリットとデメリット、それと退職金にまつわるあれこれを紹介しました。
終身雇用のメリットは、安定した収入が得られることですが、それは「会社の経営が安定していたら」の話。
終身雇用のデメリットは「労働意欲が低下する」ことですが、労働意欲が低い社員が集まった会社が安定するとは思えません。
また、転職するのが一般的になるにつれて、今後は退職金もなくなるでしょう。
年収アップをするなら、「今」かもしれません。
同じ仕事でも、外資に移るだけで年収が100万円アップするのはよく聞くケースです。
もし気になる方は、検討してみてくださいね。