
北欧の人は、仕事とプライベートはキッチリ分けて効率的に働いているイメージがあります。具体的には、どんな働き方をしているんですか。
この記事では、このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- スウェーデン人の働き方の特徴9選
北欧諸国は、税金は高いものの、国民の幸福度が高いことで知られています。
今回は、そんな北欧諸国の一つ、スウェーデンの働き方を調べてみました。



スウェーデンの人は、意外にも「和」を大事にしています。
日本人と国民性が似ていると感じたので、スウェーデンの人の働き方は参考になると思います。
取り入れられるところがあれば、ぜひ「スウェーデンのワークスタイル」を取り入れてみてくださいね!
スウェーデン人の年収や労働環境、幸福度


最初に、スウェーデンとはどんな国なのかを知るために、いくつかのデータを紹介します。
平均年収
スウェーデンの平均年収は、日本円で計算すると約611万円です。
日本の平均年収と比べると、約110万円ほど高い金額です。
平均年収 | 日本円 | |
---|---|---|
スウェーデン | $47,020 | ¥6,112,664 |
日本 | $38,515 | ¥5,006,932 |
参考:OECD stat “Average annual wages” (2020年)
一週間の平均労働時間
スウェーデン人の一週間平均の労働時間は、27.4時間です。
(データは平均年間総労働時間を52で割ったものです。)
数字だけで見ると、日本とそこまで大きな開きはないですね。
ただ、平均年収のデータを含めて考えると、「日本人よりも働く時間は短く、給料は年100万円以上高い」ということになりますね。
ムムム…。
一週間当たりの平均労働時間 | |
---|---|
スウェーデン | 27.40 |
日本 | 30.70 |
参考:World Population Review “Average Work Week by Country 2022” 「2020 weekly avg (OECD)」
幸福度ランキング
幸福度ランキングでは、スウェーデンは世界7位です。
日本はというと、世界62位。
幸福度ランキングの上位は北欧諸国が占めていますが、スウェーデンもしっかり上院にランクイン。



日本は平和な国家なのに、なぜこんなに幸福度が低いんでしょうかね…。
幸福度ランキング | |
---|---|
スウェーデン | 7位 |
日本 | 62位 |
参考:Reuters「世界の幸福度ランキング」
スウェーデン企業の特徴


以上、簡単にスウェーデンについて紹介したところで、ここからはスウェーデン人の働き方を紹介しましょう。
まずは、スウェーデンの会社について。
タテ社会ではなく、フラットな組織
スウェーデン社会は、非常にフラットな人間関係を好みます。
上司でも「〇〇部長!」とは呼ばず、ファーストネームで呼びます。
スウェーデンだけでなく、他の海外諸国でもファーストネームで呼び合うのは一般的です。
でも、スウェーデンのように階層を全く気にしないわけではありません。
例えばアメリカでもファーストネームで呼びますが、心の中では「ここ人は部長だからエライ立場の人だ」みたいな気持ちはあるように感じます。
でもスウェーデンの場合は、他の国に比べて「フラットな階層」を好んでいる印象があります。



私個人の意見ですが、日本のタテ社会はキツイ。
中学の部活動、めちゃくちゃイヤでした…。
職場の服装はカジュアル
スウェーデン人は、仕事をするときの服装はかなりカジュアルです。
銀行員や、看護師、兵隊など、きっちりした服装が求められる職業以外は、服装自由だそうです。
同じヨーロッパでも、ドイツはドレスコードがきっちりしているので、ヨーロッパによっても違いはあるようですね。
スウェーデン人の時間管理


次は、スウェーデン人の時間に対する考え方を紹介しましょう。
時間にはキッチリ
スウェーデン人は、時間にキッチリしています。
時間通りに始めて、時間通りに終わらせることを重視します。
ドイツ人と同じく、ミーティングに遅れようものなら、他人の時間を無駄に奪った「無礼者」扱い。
「5分前行動」が推奨されます。
ドイツもスウェーデンも時間に対してキッチリ守る意識が強いですが、それが高い生産性を生み出す秘訣の一つなのかもしれませんね。
日本人は始める時間はキッチリしているんですが、終了時間にルーズなので、生産性が上がらないんでしょう…。
日本は「電車が1分も遅れない」ほど時間に厳しい国なのに、なんだか残念。
残業はほとんどしない
スウェーデンでは、残業は評価されません。
残業をするということは、周りの人に対してあなたが仕事の負荷をうまく管理できていないことをアピールするだけです。
また残業する社員が多いと、燃え尽き症候群になる社員が増えたり、病気になる人が増え、会社に対する満足度が下がるので、会社としても残業をさせたくはありません。
海外の人に「仕事が終わらなくて毎日残業している」と言うと、無能であることをアピールすることになりかねないので、気をつけてくださいね。
スウェーデン人は意外と「和」を大事にする


今度は、スウェーデン人が重視しているものについて紹介しましょう。
「フィーカ」は超重要
スウェーデンには「Fika(フィーカ)」というコーヒーブレイクの時間があります。
スウェーデン人にとって、仕事中のフィーカは超大事な時間です。
フィーカはスウェーデンの生活慣習であり、休憩をとること、主として同僚、友人、恋人または家族とコーヒーを飲む時間を意味する。
Wikipedia「フィーカ」とは
下記の動画によれば、「フィーカ」は毎日10時、2時など決まった時間に取るコーヒーブレイクのことで、仕事以外の話なども楽しむ時間だそうです。
フィーカを利用してお互いを知り、それが仕事の効率アップにつながっているのではないか、ということでした。
そういえば、地方で働いている私の友人は「毎日3時におやつタイムがある」と言っていました。
夫が地方の工場に行ったときも「お茶の時間が必ずある」と言っていました。
もしや、日本版フィーカ?
アメリカ人は休憩時間も惜しんで働いているそうですが(下記の記事参照)、日本にも「フィーカ」があるところは意外と多そうですね。
スウェーデンのフィーカ文化から分かることは、メリハリつけて働けば、「お茶タイム」があっても効率的に働いてさっさと帰れば生産性は上がるというコト。
日本も「お茶タイム」は大事にして、あとは効率を上げればいいだけですね!
「和」を大切にする
スウェーデンには、「ヤンテの掟」というのがあるそうです。
ヤンテの掟とは、次のようなものです。(Wikipedia「ヤンテの掟」より引用)
- 自分がひとかどの人物であると思ってはいけない
- 自分が我々と同等であると思ってはいけない
- 自分が我々より賢明と思ってはいけない
- 自分が我々より優れているという想像を起こしてはいけない
- 自分が我々より多くを知っていると思ってはいけない
- 自分が我々を超える者であると思ってはいけない
- 自分が何事かをなすに値すると思ってはいけない
- 我々を笑ってはいけない
- 誰かが自分のことを顧みてくれると思ってはいけない
- 我々に何かを教えることができると思ってはいけない
欧米の人と聞くと、「個人主義」とか「個性でガンガン攻める」イメージがあるかもしれませんが、スウェーデンはそうではありません。
どちらかというと「和を大事にする」人々のようです。
Wikipedia によると、ヤンテの掟は「出る杭は打たれる」的な空気を生み出すからよくないという意見もあるそうです。
とはいえ、スウェーデン社会は、社会全体が平均的である方が好ましいと思っている人が意外と多そうです。
日本もかつては「一億総中流」という時代がありました。
今では「そういう『出る杭は打たれる』的な空気が日本経済をダメにした」という意見もありますから、スウェーデン人が「ヤンテの掟」を批判する気持ちは理解できます。
そうは言っても、スウェーデンの生産性は高いですし、国民の幸福度も高い。
たとえ日本で「出る杭が打たれた」としても、日本人の幸福感はもう少し高くてもいい気はします。
同僚がストレスを貯めすぎていないか、チェックするのが得意
スウェーデンの人は自分だけでなく、他人のウェルビーイングも大切にします。
ウェルビーイングとは、満足した生活を送ることができている状態、幸福な状態、充実した状態などを指します。
同僚がストレスを貯めこんでいないか監視するのが得意だそうです。
す、素晴らしすぎる…。
私はこんなこと、全然考えないで生きてきました。
大いに反省です。
お互いがこんなふうに接していたら、日本人の幸福度はもっと上がるのかも…。
その他


最後は、これまで紹介したこと以外でスウェーデン人が大事にしていることを紹介しておしまいにします。
7月は休暇シーズン
残業するのは、個人の能力の欠如をアピールするようなものですが、有給休暇を取得しないことも同じです。
有給休暇を取得しないのは、「なんで?」と思われます。
スウェーデン人は平均3週間の休暇を取得します。
特に北欧の夏は短いこともあり、短い夏を楽しむために7月はこぞって3週間の休暇を取ります。
日本人の感覚からすれば「3週間も休まれたら、仕事が回らないよ!」と思いますよね。
お盆の5日間ですら、何となく5日も休んだら罪悪感を感じる国民ですからね。
でも、仕事なんて3週間休んでも回るということが、スウェーデンの例を見ると分かります。
日本人だけがメチャクチャハイレベルな職人仕事をしているとは思えません。
誰か一人が3週間休んだところで、仕事は回るはず。
男女平等の意識が高い
ジェンダーギャップ指数のスコアが恐ろしく悪い日本からすると、スウェーデンは「神」的なレベルで男女平等です。


「女性は飲み会の会費安め」とか「レディーファースト」とか、ないらしいですよ。
そんなスウェーデンでもまだ男女格差はあるそうで、年収も家事分担も男女差があるとのこと。
「アファーマティブアクション」という言葉がありますが、スウェーデン社会でも「女性優遇」政策があります。
またしても「北欧研究室」の動画が参考になると思いますので、興味がありましたら是非見てみてくださいね。
おわりに:仕事とプライベートのバランスをとるのが上手
いかがでしたでしょうか。
魅力的なワークスタイルがいくつもあったのではないかな、と思います。
日本人は仕事に対する満足度が非常に低いので、海外の働き方を参考に少しずつ環境が変わればいいですよね。
ただ、環境を変えるというのは一人でできることではないですし、すぐに変わるものでもありません。
今すぐにでも働き方を変えてみたいと思うなら、海外の会社で働くのが手っ取り早い方法かもしれません。
もし外資系企業が気になったら、どんな会社・どんな職種があるのかチェックしてみてくださいね。
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