いま、日本ではしきりに「リスキリング(学び直し)が必要」と言われています。
ここでの対象者は、ズバリ40代~50代。
20~30代の頃は当時の最先端を学んでいたものの、国や企業としては「そのスキル、もう時代遅れなのですが…」というわけですね。
日本は『デジタル後進国』とも言われ、お隣の韓国(8位)、台湾(11位)、中国(17位)に大きく抜かされ、日本は29位 (世界デジタル競争力ランキング2022より)。
国や企業は、何とか中高年世代に学び直しをしてもらいたいようです。
私もここ最近、IT資格にチャレンジしていますが、最新テクノロジーを理解するたびに、驚きと面白さを感じています。
この記事では、40代が学びなおすメリット、学びを妨げる「壁」を紹介するとともに、学び直しに失敗しないコツも紹介します。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!
40代が学び直す6つのメリット

まずは、40代が学び直すメリットを紹介しましょう。
キャリアアップ
キャリアアップのために スキルや知識を更新することで、就職市場での競争力を高め、キャリアアップの機会を得ることができます。
社会の変化が激しい時代。いつまで今の会社にいられるか不安に感じる人も少なくありません。
ただ、40代からの転職は難しいのも現実。いざと言うときのためにも、新たなスキルや知識を習得しておくは重要です。
個人の成長
新しいことを学ぶことで、人間的に成長し、世界に対する理解をさらに深めることができます。
「学ぶ」のは、仕事のためだけではありません。
長い人生において、常に好奇心を持ち、新しいことを学ぶことは、充実した人生につながるはずです。
精神的な刺激
学習を通じて頭を活性化させることで、認知機能を維持し、加齢による衰えのリスクを軽減することができます。
若い頃は体力もあり、様々な刺激に囲まれていたので、多くのことに興味関心を持っていたのではないでしょうか。
それが、いつしか毎日同じことを繰り返しで、刺激が得られにくい状況に陥っていませんか?
自信を高める
新しい技術や知識を身につけることで、自尊心と自信を高めることができます。年齢を重ねながら、新しいスキルや知識を学ぶことで、自己評価も向上します。
学び直しによって得られる経験や成果は、仕事やプライベートでのチャレンジするときの自信につながります。
学び直しは、40代の方にとって自信を高める大きなチャンスです。
新たな趣味や情熱を見出す
新しいことを学ぶことで目的意識を持ち、新たな興味や情熱を見出すことができます。
これは、多様な学習を通じて自分自身にまだ知らない能力や才能を引き出すことができるからです。
さらに、新しいスキルを身につけたり、新しい分野に興味を持ったりすることで、人生に新しい風を吹き込むことができます。
学び直しを通じて、自分自身に新しい可能性を見出すことができるのです。
新たな人との出会い、人間関係の改善
学び直しを通じて、新たな人との出会いがあります。
今までとは違った趣味や情熱を共有できる、新たな友人を見つけることができるかもしれません。このような友人関係は、長期間にわたって続く傾向があります。
また、学び直しによって、新たな知識や視点が身につき、自分の価値観が変化することもあります。それにより、人間関係も改善することもあります。
このような変化を通じて、以前とは違った視点から見たり、以前とは違った人間関係を築くことができます。
40代が勉強するときに直面する9つの課題

ただ、40代の学び直しには、いくつかの「壁」もあります。
次は、学び直しを妨げる「壁」を紹介しましょう。
時間的な制約
40代は、仕事が忙しいだけでなく、家庭では家事や育児を担い、非常に多忙な生活を送っている人が多いため、学び直しのために時間を確保するのが困難です。
また、仕事や家庭などの日常生活に耐えるためにエネルギーを使うため、学習に集中する心の余裕がないこともあります。
負担とバランス
40代は仕事と家庭などのバランスをとるために多大な負担を負っています。
さらに学び直すことによって、さらに負担が増え、学習と生活のバランスを取ることが困難になるかもしれません。
経済的な負担
40代は家族の貯蓄や子育て費などの経済的な負担があります。
学び直すためには費用がかかる場合もあり、さらなる経済的負担がかかることも考えられます。
社会的な抵抗
40代は社会的な圧力があり、学び直すことが周囲に受け入れられないこともあります。
40代になって学んだとしても「所詮、モノにはないだろう」と他人から見られるのではないかと、学び直すことをためらう人もいます。
モチベーションの維持
これは年齢に関係なく、新しいことを身につけるには時間がかかります。
仕事や給料アップに直結することであれば、モチベーションを維持しやすいですが、すぐに役立つものでない場合は、モチベーションを持ち続けられずに、途中で挫折してしまう人も。
新しいことへの抵抗
40代になると、新しいことに対する抵抗感が高くなることもあります。これは、過去に失敗した経験や恐れなどが根底にあると考えられています。
たとえば、20代のときに「英語に挑戦したがモノにならなかった」からと、新たな言語に挑戦するのをあきらめてしまうといったケースです。
また、40代になると自分自身の価値観や考え方が固まってしまうこともあります。これらが新しいことへの抵抗感を引き起こす原因となります。
学習スピードが遅いと感じる
40代になって久しぶりに何かを学んでみると、若いころに比べて学習スピードが遅くなったと感じたり、記憶力が低下したと感じるかもしれません。
学習に有益な情報を探せない
40代になると、学習に必要な情報を探すのに苦労する場合もあります。特に、技術的なものに関しては、日々進化しており、最新の情報を探すことが難しいかもしれません。
ネットには様々な有益情報がある反面、ネットを使いこなせないと、必要な情報にアクセスできなかったり、古い方法で学習を始めてしまう場合も。
効率的に学習できる方法や、無料で学べる方法もインターネットにはたくさんありますが、それらを見つけ出せないと非常にもったいないですよね。
技術の進歩についていけない
新技術やツールの普及や進化は、変化の早い社会において、常に新しいことを学ぶことが求められます。
しかし、技術の進歩が速すぎることから、常に最新の情報を把握し続けることが難しいという問題もあります。
40代で学び直しに失敗しない7つのコツ

ここでは、40代からの学び直しに失敗しないコツを7つ紹介します。

壮大な目標は立てず、小さく始めていきましょう。
小さく始める
まずは、小さな目標を立てて、そこから一つずつコツコツ積み上げていきましょう。
また、最初から学校に通うのではなく、まずは独学で始めてみることをおすすめします。
ある程度勉強が進み、独学では難しいと感じたら、そのときにスクールや専門学校を探してみても遅くはありません。まずは、あまりお金をかけずに学べる方法を探してみましょう。
現実的な目標を設定する
達成可能で測定可能な目標を設定し、進捗状況を確認しましょう。
進捗を「みえる化」するのはおすすめです。紙に計画表を書いて、常に見えるところに貼っておいたり、学習進捗アプリを使って、進捗をデータ化してみるのも有効です。
柔軟であること
必要に応じて目標を変更し、新たな状況に適応できるようにしましょう。
学生の頃と違い、仕事や家庭が生活の中心になっている方は多いでしょう。優先順位をつけて、仕事や家庭のことで忙しいときは、計画をアップデートして、無理なく学習を続けましょう。



大学受験ではありませんから、短期集中型の勉強をする必要はありません。
また、体力もひとそれぞれ。自分の体力や生活サイクルを考えて計画を立てるのも重要です。
集中する
気が散ることを避け、学習時間に優先順位をつけましょう。
毎日、または週に一度、学習活動のために特定の時間を確保しましょう。
何もやらなければ成長はゼロですが、週に1日の勉強でも1年単位でみれば確実に成長しています。
前向きにチャレンジする
前向きな姿勢を保ち、自信喪失を避けることが、障害を克服し、目標に到達するのに役立ちます。
年齢を言い訳にせず、前向きに取り組みましょう。
上達を祝う
どんなに小さなことでも、自分の達成を祝い、進歩を認める時間を持ちましょう。
「〇時間学習したら、美味しいものを食べに行く」「〇〇に合格したら、旅行に行く」など、自分の頑張りを祝いましょう。
「学び直し」の参考になる本
最後に、おすすめの本を2冊紹介します。
「学び直しなんて必要なんだろうか…」と感じている方がいたら、下記の本がおすすめです。
私は転職に失敗した経験がありますが、この本を読んで、アンラーニングできていなかったことが敗因だったと痛感しました。
40代にもなるとスキルや仕事のやり方が固定化し、過去の成功体験に浸り、思った以上に自分を変えるのは難しいです。
しかし、考え方やスキルをアップデートしない限り、成長しません。成長しない人材が「お荷物」「老害」扱いされても、仕方ありません。
『雇用を守れ』と企業に言うなら、労働者が自分の市場価値を上げる努力をするのはセットだと思います。
でなければ、会社はつぶれてしまいますから。
おわりに
この記事では、40代で学び直しするメリットと、立ちはだかる壁を紹介しました。
失敗を防ぐには、小さく始めることです。まずは1~3ヶ月くらいで合格できる資格などから始めてみましょう。
3ヶ月でスキルアップできるIT資格 もありますので、最近のIT知識の学び直しをしたい方はぜひ気軽に挑戦してみてください。
仕事の効率化・自動化を考えるなら、Microsoft の Power Platform はおすすめ。MicrosoftのIT資格「PL-900」は、IT初心者の方でも十分合格できます。


また、英語には挫折したけれど新たな言語に挑戦したい方は、中国語はおすすめです。
アルファベットではなく「漢字」を使うので、英語よりも単語が覚えやすいです。


新しいことを学ぶと、新たな世界が見えてきます。
楽しく、無理せず、お互い学びを楽しんでいきましょう。