
外資系企業に、定年はあるの?
外資系企業への転職を考えている人なら、定年については気になるところですよね。
結論を先に言うと、外資系企業にも定年は一応あります。
ただ、人によっては外資系企業で定年まで働くのは難しいかもしれません。
この記事では、これから外資系に転職しようか考えている20代、30代の人に向けて、次の点を解説します。
- 外資系の定年は何歳?
- 外資系に転職するなら考えておきたいこと
日本企業と外資系企業は、キャリアに対する考え方が異なります。
外資系企業へ転職するときの参考にしてもらえたら、うれしいです。
外資系企業の定年は、何歳?


最初に結論を言うと、海外の定年はだいたい60歳~65歳です。日本とそんなに変わりません。
(引用:https://en.wikipedia.org/wiki/Retirement_age)
定年の年齢は国によって異なりますが、日本で働いている場合は外資系企業でも日本の法律が適用されます。
本人が希望さえすれば、日本企業と同じように65歳まで働けます。
今や医療技術のおかげで長生きできるようになり、平均寿命も延びていますよね。国も高齢者雇用には積極的で、少しでも長く働いてもらおうと躍起です。
外資系企業で定年まで働くのが難しい3つの理由


海外の定年もだいたい日本と同じですが、外資系企業では定年まで働く人はあまり多くないように思います。
その理由は3つあります。
- 年功序列、終身雇用ではない
- 実力主義
- 体力の衰え
年功序列、終身雇用ではなく、退職金もない
外資系企業は年功序列、終身雇用ではありません。
長く働いていても役職が上がるわけでもありませんし、会社が期待する結果が出ていない場合はリストラ対象になることも。
また日本企業と違い、外資系企業は退職金がないところがほとんどなので、定年まで働くインセンティブがありません。
実力主義
外資系企業は「結果がすべて」です。結果さえ出ていれば、定年まで働けます。
体力の衰え
3つ目は、体力の衰えです。
結果さえ出ていれば定年まで働けますが、現実的には40代も後半になれば、誰もが体力の衰えを感じるはずです。
20代、30代のころは体力で乗り切れたことも、40を過ぎると「あれ?」と感じることが増えてきます。
私も20代の頃は自分が老眼になるなんて思いもしませんでした…。
でも、「自分だけ例外的に老いない」なんてことはありません。
人間の老化は、当然のこと。でも外資系企業では「結果がすべて」。
シニアになっても、体力に自信のある20、30代と同じ土俵で戦わないといけません。
求められる結果を出せないのであれば、自分の体力に合わせて仕事内容を変えるしかありません。
日本人と海外の人は、キャリアプランが違う


先ほど紹介したように、外資系企業には「年功序列」というシステムはありません。
一方、多くの日本企業は今も年功序列システムを採用しています。
下記のグラフを見てください。これはアメリカと日本の年齢別の平均年収のグラフです。
参考: doda「平均年収ランキング」, capital one「What’s the Average Salary in the US by Age?」


このグラフから分かることは、次の2つ。
- 日本では、年齢が上がるほど年収も上がる(つまり、年功序列)
- アメリカでは、40代をピークに年収は下がっていく
年功序列というシステムがないと市場の需給バランスによって年収が決まりますが、40代が最も市場価値が高いということになります。
そのため、海外では40代が年収のピークになることを意識してキャリアプランを考えています。
しかし日本では年功序列というシステムが残っているため、「定年まで働く」のを前提にライフプランを立てている人がほとんどです。
日本人が外資系で転職するのにベストな時期は?


30代がベスト
これまでの内容を踏まえると、外資系企業に転職するなら30代がベストです。
その理由は以下。
- 外資系企業では30代、40代が年収のピーク
- 20代の経験を活かせる
- 40代までまだ時間もあるので、当分高年収をキープできる
- 体力的にも、余裕がある年代
外資系企業はスキルと経験がないと入社が難しいので、20代で外資系企業に入るのはかなり難しいです。
しかし30代になれば、一気に状況は変わります。十分な経験とスキルがあるので、外資系に転職するならベストの年代です。
これまでの経験次第で高年収を狙うのは十分可能だと思いますので、どのくらいの年収が狙えるのかは転職エージェントに相談してみると良いかと思います。
また、気になるのは「退職金」。
外資系企業には退職金はありません。しかし、日本企業でも退職金制度を20年後まで維持できるかは不透明です。
日本企業でも、すでに退職金を廃止している企業もあります。
退職金は長く働くほど増額されますが、転職することが一般的になりつつある今、満額の退職金をもらえない人は増えています。
退職金をあてにして働く人が減少すれば、いずれ退職金制度そのものが不要になってもおかしくありません。
40代以降はスキルによる
40代で外資系に転職する場合は、スキルによります。
高い年収が狙えるのであればおすすめしますが(管理職不足なのでニーズはあります)、思ったほどの高年収が狙えないのであれば、日本企業で働き続ける方が無難かもしれません。
先ほど紹介したように、日本企業では年齢が上がるほど平均年収が高いというデータが出ていますし、定年まで働けば退職金も貰えます。
確かなことは言えませんが、現在40代の方の場合は、退職金が貰える可能性は高いと思います。
日本企業で退職金を受け取った場合の生涯年収と、外資系に転職して受け取れる年収の総額を比較して、転職を検討してみるといいかもしれません。
外資系転職に強いエージェント


外資系企業に転職したらどのくらいの年収が貰えるのか知りたい方は、転職エージェントを利用してみてください。
転職エージェントとしても、年収を下げてまで転職したい人などいないのは分かっていますから、応募可能な求人の中で年収の高い案件を紹介してくれるはずです。
紹介された求人を見て、魅力的なものがあれば転職を本格的に考えてみるといいかもしれません。
外資系に応募するのが初めての方なら、おすすめは「エンワールド」です。英文履歴書の添削や、面接対策もしてくれるので、外資系が初めての人には心強いです。
海外の50代以降はどんな仕事をしているか


海外では、50歳以降の人はどんな仕事をしているのでしょうか。
Indeed社の「15 jobs for Men over 50」の記事には、50歳の以降の男性におすすめの仕事が紹介されていましたが、50代以上におすすめの仕事は大きく2つに分かれます。
▼50代以降の人に向いている仕事
- 豊富な経験が活かせる仕事
- 体力的に無理のない仕事
20代の頃のようにポテンシャルで採用されるようなことはありません。
「豊富な経験が活かせる仕事」の方が、当然年収は高くなりますし、外資系企業が求めているものです。
外資系企業で働き続けたいなら、歳を重ねるほど『豊富な経験が活かせる仕事』を続けていくのが重要。
そのためには、戦略的に経験を積み重ね、スキルを身につけていくこと。
ただ、そういう仕事は体力的にきつい場合もあります。年齢にあわせて無理のない仕事に変えていくのも、働き方の一つです。
外資系企業で働きたい20代がやっておくべきこと


最後に、将来的に外資系企業で働きたいと考えている20代の方に、20代のうちにやっておくと有利なことを4つ紹介します。
- ビジネス英語の勉強
- 自分の専門領域を決める
- 資格取得
ビジネス英語の勉強
英語が得意な人も、苦手な人も、ビジネス英語は身につけておくと非常に役立ちます。
特に外資系の場合は、英語を話す機会も非常に多いですから、将来外資系で働きたい人は勉強しておいて損はありません。
専門領域を決める
外資系企業では、専門性が求められます。「なんでもできる人」は求められません。
ちなみに、専門分野を作っていくときは掛け合わせをするのがオススメ。「英語 x IT x プログラミング」のように、複数の軸を作ってみると、ライバルと差をつけやすいですよ。
資格取得
資格取得をするなら、20代のうちに取得しましょう。
30代以降でも取得するのは自由ですが、30代以降に資格を取得してもあまり評価されません。30代以降では、資格ではなく実務経験を求められます。
私も20代は結構資格を取得した方だと思いますが、20代は実務経験がない分、転職でアピールできるカードは「資格取得」くらいだったりします。
おわりに
この記事では、外資系企業で定年まで働くことについて解説しました。
外資系企業は実力主義ですので、実力があれば何歳でも働けます。ただ実際は、定年まで働いている人は少数です。
日本企業で定年まで働くか、外資系企業に転職して40代のピークを目指して働くか…。
外資系企業で働くなら、30代で転職するのがベストです。タイミングを逃さないように、転職活動を進めてみてください。