
中国語に興味があります。何から勉強すればいいですか?
この記事では、これから中国語を始めてみようと思っている方に向けて、中国語の始め方を解説します。
私が中国語の勉強を始めたのは、30歳になるちょっと前。
大学では中国語を勉強したことがなく、社会人になってから勉強を始めましたが、HSK6級にも合格しました。
中国語は、社会人になってからでもマスターできますよ。



「中国語を始めてみようかな?」と思ったら、この記事を参考にぜひチャレンジしてみてくださいね。


- 29歳で中国語学習をスタート
- 半年間中国留学経験あり
- 仕事で中国出張も経験
- HSK6級合格
中国語はどういう言語か、ざっくり理解する


まずはざっくり『中国語』を紹介します。
『中国語』で使われている漢字は、大きく分けて2種類。
- 簡体字(かんたいじ): 中国大陸で使用
- 繁体字(はんたいじ): 台湾で使用
以下の表は、国ごとに使われている漢字をまとめたものです。
エリア | 漢字 | 口語 |
---|---|---|
中国大陸 | 簡体字 | 標準語 |
香港、広東省 | 繁体字 | 広東語 |
マカオ | 繁体字 | 広東語 |
台湾 | 繁体字 | 標準語 |
シンガポール | 簡体字 | 標準語 |
マレーシア | 繁体字 | 標準語、広東語 |



このブログで紹介しているのは、中国大陸で使われている標準語(簡体字)です。
地図で表すと、こんな感じ。


「台湾で使われている中国語」は『台湾華語』とも呼ばれています。
書店に『台湾華語』と書いてあるテキストがたくさん置いてありますが、繁体字です。
中国大陸の中国語(簡体字)を勉強したい人は、「台湾華語」のテキストを買わないように。
簡体字(かんたいじ)について
実は中国大陸でも、1940年代までは『繁体字(はんたいじ)』を使っていました。



え、そうなの?
歴史的な経緯は、ざっくりいうとこんな感じ。
昔の中国は、国民の識字率が高くありませんでした。
1949年に中華人民共和国が成立すると、毛沢東は「識字率を上げるために、漢字をもう少し簡単にせよ」と文字改革を指示。
それにより、簡体字が作られました。
1900年前半の中国の書籍を見ると、繁体字で書かれてありました。



簡体字は比較的新しい漢字なんです。
発音について
次に発音について紹介します。
中国語の発音記号をピンイン(拼音)と呼びます。
中国語には、36個の母音と21個の子音があり、それを組み合わせた約400の音の組み合わせで成り立っています。
- 【母音】a、o、e、er、ai、ei、ao、ou、an、en、ang、eng、ong、i、ia、ie、iao、iou(-iu)、ian、in、iang、ing、iong、u、ua、uo、uai、uei(-ui)、uan、uen(-un)、uang、ueng、ü、üe、üan、ün
- 【子音】b、p、m、f、d、t、n、l、g、k、h、j、q、x、zh、ch、sh、r、z、c、s
中国語初心者は、発音の組み合わせを一覧にした「音節表」を見て発音の練習をします。
》 音節表 (wikipedia)
400通りの発音があるので、発音の練習は大変です。



うまく発音ができなくて、勉強をやめてしまう人も…。
ただ、発音の練習が終わればかなり楽になりますから、コツコツ練習を続けていきましょう。
覚えるべき単語数
日本でも漢字を使っているので、漢字を覚えるのは比較的簡単です。
そうはいっても、実際に簡体字の学習を始めてみると「えっ!?全然違うじゃない!」と感じるかもしれません。
日本と漢字が同じものもあれば、違うものもあります。
発音に関していえば、日本語と漢字が同じでも発音は完全に異なります。
中国語と日本語の違い
日本語 | 中国語 | 中国語発音 | |
---|---|---|---|
漢字が同じ | 日本 | 日本 | Rìběn |
簡体字のため、見た目が違う | 図書館 | 图书馆 | Túshū guǎn |
カタカナ表記のもの | アメリカ | 美国 | Měiguó |
漢字は同じだが、単語の意味が違う | 手紙 | 手紙 (中国語で「トイレットペーパー」のこと) | Shǒuzhǐ |
同じ意味だが、違う漢字を使う | 犬 | 狗(日本語で「犬」のこと) | Gǒu |



まずはどのくらい単語を覚えればいいの?
目安となるのが、中国語検定で覚えるべき単語数。
入門レベルは「準4級」ですが、準4級に合格するには約500語覚える必要があります。
覚えるべき単語数
中国語検定 | 単語数 |
---|---|
準4級 | 基礎単語約500 |
4級 | 常用語約1,000 |
3級 | 常用語約2,000 |
2級 | 指定なし |
準1級 | 指定なし |
1級 | 指定なし |
中国語の始め方


では、中国語を始めるための準備をしていきましょう。
STEP1:参考書を1冊買う
まずは、中国語の参考書を1冊購入しましょう。
初心者向けの中国語の参考書はたくさんありますが、個人的におすすめなのは以下の本です。
テキストが大きくて見やすいだけでなく、ひとりで勉強できるように分かりやすく解説も載っています。
もちろん「入門編」であれば、この参考書以外でも問題ありません。
書店に行って、見やすい参考書を1冊探してみてくださいね。
STEP2:中国語キーボードを追加する
次は、スマホやパソコンで中国語を入力できるように中国語キーボードを追加しておきましょう。
中国語の勉強を始めると、スマホやパソコンで中国語入力が必要な場面も出てきます。
Android11 で中国語を入力する方法は、Android 11 で中国語入力する方法で紹介しています。
PCに中国語キーボードを追加する方法は、下記の記事が参考になります。
STEP3:「手書き入力」機能を使えるようにしておく
中国語キーボードを設定するだけでなく、スマホやPCで手書き入力もできるようにしておきましょう。
中国語の勉強をし始めると、『漢字は分かるけど、ピンインが分からない』というケースに出くわします。
その時は、スマホやPCの「手書き入力」機能が断然便利。
キーボードを追加するときに「ピンイン」と「手書き」の両方にチェックを入れておけば OK です。
私は中国語の学習をするとき、次の組み合わせで使うことが多いです。
- スマホかタブレットで、手書き入力
- パソコンで、ピンイン入力



「手書き」と「ピンイン」に切り替えるのは結構面倒なので、私は2台使いしています。
ちなみに Google翻訳を使うときは、「手書き入力」の設定は不要です。
Google翻訳で、言語を「中国語」に設定すると、入力方法として「中国語(簡体字、中国)- 手書き入力」という選択肢が表示されます。


STEP4:辞書アプリをインストールする
語学の学習には、辞書は必須ですよね。
でも、紙の辞書や電子辞書を買う必要はありません。無料で使える辞書サイトや辞書アプリがありますので、それを使いましょう。
「どうしても紙の辞書を買いたい!」という方はもちろん止めませんが、私は下記で紹介している辞書しか使っていません。
パソコンの場合
中国語の意味を調べたいときは、『Weblio』だけで十分です。
おすすめの中国語辞書サイト
- Weblio 日中・中日辞典 (まずはこの一つでOK)
- 中日辞書 北辞郎 (流行語も含めて調べたいとき)
- Google 翻訳 (ピンインを調べたり、文章を翻訳したいとき)
- DeepL (文章を翻訳・作成するとき)
スマホの場合
スマホで中国語辞書を使うなら、下記のアプリだけで十分です。
Android ユーザー向け
iOS ユーザー向け
STEP5:YouTube で中国語の番組を見る
以上で、学習環境は揃いました。
でも参考書を読んでいるだけでは、つまらなくて飽きてしまいます…。
中国語を学ぶなら、「楽しく学べるモノ」を用意しておくのが重要です。今は中国語の YouTube 番組がたくさんありますから、ぜひ YouTube を活用しましょう。
有名な中国語YouTube番組を紹介しますが、他にもたくさんありますからいろいろ探してみてくださいね。
基礎から始める中国語(李姉妹ch)
人気YouTuber李姉妹の中国語講座です。
有名なのですでにご存じかもしれませんが、中国語を身近に感じることができるおすすめの番組です。
ヤンチャンCH
四川出身の日本在住YouTuber ヤンチャンの番組です。
中国語学習に役立つコンテンツが多いので、単純に面白いだけでなく、中国語の勉強にも最適です。
我住在这里的理由(私がここに住む理由)
南京在住の日本人、竹内亮さんの番組です。
中国で暮らしている日本人、日本に暮らしている中国人に、そこに住む理由を尋ねるドキュメンタリーです。
中国語がちょっと難しいですが、日本語字幕があるので大丈夫ですよ。
Mr Sun Mandarin
これは、完全に「勉強系」YouTube番組。
一部英語で訳が表示されているところもありますが、基本的にはオール中国語。
漢字・ピンイン・音声が同時に確認できるので、準4級、HSK1級を目指す方におすすめです。
中国語初級講座(青島日美外語専修学校)
こちらも、完全に「勉強系」YouTube番組。
中国の青島にある中国語学校の動画です。初級編だけでも157本の動画があります。
中国に留学して勉強していた若かりし日を思い出します(といっても、当時すでに30歳くらいでしたが)。
STEP6:目標を立てる
中国語を始めるなら、何か目標を立てましょう。
個人的におすすめなのは『中検準4級』です。
中国語検定準4級は、大学の第二外国語で中国語を学ぶ人が半年程度の学習で合格できるレベル。
文法、単語、発音、リスニングの基礎を総合的に学ぶ必要があるので、最初の目標としては最適です。
中国語検定試験は、毎年3月、6月、12月の第4日曜日
中検準4級にはスピーキングのテストはありませんから、話せなくても合格できます。
中検準4級に合格するための勉強方法は、下記の記事を参考にしてくださいね。


中国語が分かると、できるようになること


中国語が分かるようになると、ニュースを見たり、動画を見たり、いろんなコンテンツを楽しめるようになります。
例えばこんな楽しみ方があります。
中国の今を知る
中国語を勉強する理由の一つ、それは「中国の今」を知ることではないでしょうか。
インターネット上に中国語の情報はたくさんあるのですが、「中国語なので読めない…」と感じている方も少なくないのでは?
中国語が理解できれば、中国のサイトを気軽に読むことができます。
中国のニュースサイトは下記の記事で紹介していますので、参考にどうぞ。


中国語の原書を読む
中国語の勉強がある程度進んだら、中国語の原書にもチャレンジしてみるといいかもしれません。
残念なのは、中国語の原書を手に入れるのは一般書店では困難なこと。
東京近郊にお住まいの方は、神保町(東京)にある『内山書店』や 『東方書店』に足を運んでみてください。
地域によっては、地元の図書館に中国語の本を置いているところもありますので、図書館でも探してみてください。
大学の図書館にも中国語の原書が置いてあるので、大学図書館を利用できる方は、大学図書館も利用してみてくださいね。
中国語を仕事に活かす
中国語をメインに仕事をするなら、中国語検定2級以上は必要になります。
ただ簡単な中国語ができるだけでも、中国人とのビジネスはやりやすくなりますよ。中国社会は「グワンシ (関係)」が重要。簡単な中国語できるだけでも、相手との距離が縮まります。
私は仕事で英語をメインに使っていましたが、中国出張に何回か行くことがあり、中国では英語と中国語の両方を使っていました。
中国語を話す外国人は多くないので、中国語で話しかけると一気に仲良くなれます。
Q&A


ここでは、よくある質問にお答えします。
おわりに:まずは一冊買って、チャレンジ!
この記事では、『中国語の勉強を始める6ステップ』を紹介しました。
- 参考書を1冊買う
- 中国語キーボードを追加する
- 辞書アプリを準備する
- 手書き機能をマスターする
- YouTube で中国語の番組を見てみる
- 目標を立てる
中国語は、日本人にとっては(発音以外は)簡単な外国語です。
ぜひ参考書を一冊買って挑戦してみてください。個人的にオススメなのは、以下の本です。
無料で使えるアプリ・サイトを利用しつつ、楽しみながら中国語にチャレンジしてみてくださいね。
加油~!

