
外資系企業に転職しようか迷っています。
外資系は日本企業と大きく異なりますか?
私はかれこれ10年以上外資系企業で働いてきましたが、外資系と日本企業はカルチャーが異なります。
外資系企業に転職した後に「日本企業はよかったなぁ…」と思ったことも…。
この記事では、外資系企業に入って後悔したくない人に向けて、
- 外資系に転職前に理解しておきたいこと
- 私が「日本企業はよかった」と感じたこと
- 私が外資系企業を選んだ理由
を紹介します。
この記事が、あなたが「日本企業 / 外資系企業」を選ぶときの参考になればうれしいです。
転職して後悔しないために知っておきたい3つのこと


外資系企業にも日本企業にも、メリット・デメリットがあります。
外資系企業に転職して後悔しないために、知っておくべきことを3つ紹介します。
① 自分が外資系に向いているか
一番重要なのは、自分が外資向きかという点です。
「「外資系に向いてる人」ってどんな人?」で外資系企業に向いている人の特徴を紹介していますが、ざっとまとめると以下のとおり。
- やりたいことがハッキリしている
- 裁量権を持って、自由に仕事がしたい
- 合理的な働き方をしたい
- 海外の人と働いてみたい、あるいは日本社会が合わない
- 20代、30代で年収を上げたい
- お金を早く貯めて、辞めたい
当てはまるものが多い人ほど、外資系企業の方がのびのびと働けると思います。
しかし逆の場合はかなりしんどいと思うので、外資系はオススメしません。
② 業界の特性を理解しているか
外資系企業といっても、いろんな業種があります。
インターネットやYouTubeで「外資はハード」と言っている人は、投資銀行やコンサル系企業で働いている人が少なくありません。
年収が非常に高い業界がある一方、そこまで年収が高くない外資系企業もあります。
『日本人が外資系企業で働くということ』(藤田研一著、ダイヤモンド社)という本の中で、外資系の業界特性は以下のように紹介されています。
外資系だからといって、どの外資系企業でも「戦略系コンサル」並みのハードさを要求されるわけではありません。





「外資系」といっても、業種によってハードさはバラバラだね。
詳しく知りたい方は、ぜひ下記の本を参考にしてみてください。
③ 英語に興味があるか
外資系企業では、英語は避けては通れません。
英語に興味がないと、かなりしんどいです。
私のように英語が得意でない人も外資系企業では働いていますので、英語が得意でなくても大丈夫です。
ただ、英語が得意でない人はオンライン英会話などを利用して自主的に英語を勉強しています。
ちなみに外資系企業の仕事には、英語が絶対に必要な仕事、英語がほとんど必要ない仕事があります。



仕事を選ぶときは、自分の英語レベルにあわせて選ぶのも転職に後悔しないためのコツです。
「日本企業はよかったな…」と思ったこと


ここからは、私の体験談になります。
外資系企業に転職して感じた「日本企業はよかったな」と思った点を紹介します。
「日本企業」と言っても、会社ごとに社風や働き方は異なります。
これはあくまで私が勤務した日本企業の話ですので、ご承知おきください…。
日本企業は、時間の流れがゆるやか
日本企業は、古き良きカルチャーが残っていました。
「外資系は合理性ばかり求める…」と言われたりしますが、あながち間違っていません。
外資系企業では、ムダだと思ったことはどんどん切り捨てます。



でも、そんなに合理性ばかり求めると息苦しくなります…。
私がいた日本企業では、部活動が驚くほどさかんだったり、定年退職した方とのつながりも結構強かったりして、あたたかな人間関係がありました。
仕事はかなりアナログな方法で進められていて驚きましたが、「まぁ仕事が回ればいいか」と思うように。
日本企業では、リストラがほぼない
「日本企業はいいな」と思う2つめは、レイオフ(リストラ)が限りなく少ない点です。
外資系企業で働いていると、「レイオフ」という言葉を知らない人はいないほどレイオフは日常茶飯事。
会社や業種によって頻度に差はありますが、欧州系よりも米国系企業の方がレイオフは多い印象ですね…。
これは私が遭遇したことですが、昨日まで会社にいた同僚や上司が、何の前触れもなく突然いなくなります。
「〇〇さんは、今月付で退職の予定です」のようなアナウンスがいきなり来て、レイオフがあったことを知るわけです。
レイオフ対象になったアメリカ人の同僚からは、「会社のアドレスはもう使えなくなったので、私用のメールから送っています。今日で退職になりました、今までありがとう」と、メールが来たことも。
「はっ?」
最初の頃はレイオフがあるたびにかなり動揺しましたが、あまりにも多すぎるので、だんだん「あぁ、またか」と麻痺してきました。
アメリカの会社なんて、所詮そんなものです(私のいた会社の場合は、ですが。)
日本企業でも倒産することもありますから、突然リストラされることが全くないわけではないですが、外資系企業と比べたら圧倒的に少ないです。



日本企業では、リストラを気にしながら働いている人はあまりいないですよね?
日本企業は、面倒見がいい
外資系企業は、基本「個人プレー。」
自分の仕事が終われば、周りが忙しくてもとっとと帰るのが普通です。
一方、日本企業は「家族的」なところがあります。
新人研修や中途社員研修もありますし、かなり親切に教えてくれます。
「困ったときは、お互い様」の精神があり、仕事が大変な時は周りがサポートしてくれることも。
日本の商習慣について、説明する必要がない
日本の商習慣をいちいち説明しなくて済むのも、日本企業で働くメリットです。
海外と日本の商習慣は違う点が多いので、上司が外国人だと日本のやり方にいちいち「Why?」と聞いてくるわけです。
例えば、こんな質問。
- ハンコが必要なのか?
- 驚くほど承認者が多いのはなぜか?
- 驚くほど決定に時間がかかるのはなぜ?
- 「様」と「さん」の違いは?
- 納品書とは?
など。
「こんな小さい案件の承認のために、なぜ3日もかかるの?」と海外の上司から聞かれることもありましたが、そんなの知りませんよッ。
私だって、何でこんな小さい案件の承認のために3日もかかるのか!?と不思議に思っていたくらいですから…。
あまりにもこういうことが多かったので、海外の人もだんだんと「Japan は、承認に時間がかかる」と理解するようになりましたけどね。



日本企業は、意思決定が遅すぎる。
英語の勉強をする必要がない
外資系企業に転職するのをためらう理由は、「英語」が結構大きな要因かもしれませんね。
日本企業で働いていたら、英語が必要な場面はそんなに多くはありません。日本企業で働いている分には、英語ができなくても十分やっていけます。
一方外資の場合は公用語が英語。ある程度英語ができないとしんどいです。



私は英語が得意だったわけでもないので、仕事のために英語をかなり勉強した方だと思います。
私が利用していたのは『Bizmates
それでも外資系企業を選んだ理由


「日本企業はよかった」と感じる点はいろいろあったわけですが、それでも私は外資系企業で働き続けることを選びました。
その理由は、次のとおりです。
スピードの遅さに耐えられなかった
外資系を選んだ理由の一つは、日本企業のスピード感のなさに耐えられなかったからです。
スピードは「早すぎ」でも「遅すぎ」でもストレスですが、どちらか選べと言われたら「早すぎ」を選ぶのが私の性格。
社会の変化に合わせてスピーディに組織も変えていくのが外資系企業で、不要だと思ったらどんどん切り捨てます。古いやり方も、古いスキルも…。
社会のスピードに合わせるなら、そのくらいのスピードで組織を変えていかないと生き残れないと分かっているからかもしれません。
社会の変化に合わせるためには組織変更が必要で、そのためにレイオフが行われたりもしますが、従業員もそれを理解しているので、新しいスキルや経験を身につけるために、定期的に転職しています。
そういうカルチャーの方が自分には向いていたので、外資系を選びました。
外資系の合理的な働き方の方が、自分には合っていた
個人のやるべきことが明確で組織全体がシステマチックに動くのも、私が外資系企業の方が働きやすいと感じる理由でした。
外資系企業は効率的なプロセスを構築するのがうまく、意味不明な業務が少ないので、業務に関するストレスも少ないです。
日本人は責任の所在をあいまいにしがちなので、責任者が曖昧な分、「連帯責任」でみんなで遅くまで残業します。
私はどうもそれが苦手で…。
「なぜその仕事を、私がしないといけないの?」と思ってしまいます。
多様性がある環境の方が、楽しかった
海外の人と働くことが純粋に面白いと感じる性格なのも、外資系企業は私には向いていたと思います。
会社の規模にもよりますが、外資系企業は世界各国にオフィスがあります。
一生行くことがないかもしれない国に住んでいる人が、日々どのように過ごしているのか、何が流行っているのかなど、仕事の会話を通じて知ることができます。
外資系企業に入って、海外のメンバーとプロジェクトを一緒にやっていくのは結構楽しかったですね。
日本企業より年収が高い
これはよく言われることですが、日本企業よりも外資系企業の方が年収が総じて高いです。
私は高年収目的で外資を選んだわけではなかったですが、低いよりは高い方がいいに決まってますよね。
20代~40代だったら、日本企業で働くよりも外資系企業で働く方が高年収になる可能性が高いです。
※ただし、外資系企業には退職金がないところが多いです。



外資系に転職するなら、推定年収額は必ずチェックしておきましょう。
英語は考えようによっては、日本語より楽
意外に思われるかもしれませんが、考えようによっては英語の方が楽です。
英語と日本語の両方使って感じるのは、日本語は敬語表現が多すぎて、文章作成に時間がかかります。
英語なら「OK」「Thanks!」だけの一文で終わるようなメールでも、日本だと相手の気持ちをあれこれ考えて長文になりがち。
もちろん、英語でも相手の気持ちは考えて書きますが、日本語ほど長文メールは書きません。
おわりに
この記事では、外資系に転職して後悔しないために知っておきたいことを紹介しました。
外資系企業は日本企業と働き方や社風が異なるので、合わない人にはしんどいかもしれません。
ただ、私のように「外資系企業の方が働きやすい」と感じる人もいますから、外資系が合うかどうかは人それぞれ。
もし外資系企業が気になったらいくつか求人を探してみて、自分が働く姿をイメージしてみてください。
もちろん、推定年収のチェックもお忘れなく…。