
中国語に興味があります。何から勉強すればいいですか?
この記事では、これから中国語を始めてみようと思っている方に向けて、『中国語の勉強を始める6ステップ』を紹介します。
私が中国語の勉強を始めたのは、30歳になるちょっと前。
大学では一切中国語を勉強しておらず、社会人になってから始めました。
時間はかかりましたが、HSK6級にも合格できました。



「中国語を始めてみようかな?」と思ったら、この記事を参考に、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
中国語はどういう言語か、ざっくり理解する


まずはざっくり『中国語』を紹介します。
『中国語』で使われている漢字は、大きく分けて2種類。
- 簡体字(かんたいじ): 中国大陸で使用
- 繁体字(はんたいじ): 台湾で使用
以下の表は、国ごとに使われている漢字をまとめたものです。
エリア | 漢字 | 口語 |
---|---|---|
中国大陸 | 簡体字 | 標準語 |
香港、広東省 | 繁体字 | 広東語 |
マカオ | 繁体字 | 広東語 |
台湾 | 繁体字 | 標準語 |
シンガポール | 簡体字 | 標準語 |
マレーシア | 繁体字 | 標準語、広東語 |



このブログで紹介しているのは、中国大陸で使われている標準語(簡体字)です。


「台湾で使われている中国語」は繁体字ですが『台湾華語』とも呼ばれています。
最近は書店に『台湾華語』と書いてあるテキストがたくさん置いてあります。
それらは、繁体字です。
中国大陸の中国語(簡体字)を勉強したい人は、「台湾華語」のテキストを買わないようにしてください。
簡体字について
実は中国大陸でも、1940年代までは『繁体字』を使っていました。



え、そうなの?
歴史的な経緯はこんな感じ。
昔の中国は、国民の識字率が高くありませんでした。
1949年に中華人民共和国が成立すると、毛沢東は「識字率を上げるために、漢字をもう少し簡単にせよ」と文字改革を指示。
それにより、簡体字が作られました。
発音について
次に発音について紹介します。
中国語の発音記号を、ピンイン(拼音)と呼びます。
中国語には、36個の母音と21個の子音があり、それを組み合わせた約400の音の組み合わせで成り立っています。
- 【母音】a、o、e、er、ai、ei、ao、ou、an、en、ang、eng、ong、i、ia、ie、iao、iou(-iu)、ian、in、iang、ing、iong、u、ua、uo、uai、uei(-ui)、uan、uen(-un)、uang、ueng、ü、üe、üan、ün
- 【子音】b、p、m、f、d、t、n、l、g、k、h、j、q、x、zh、ch、sh、r、z、c、s
中国語初心者は、発音の組み合わせを一覧にした「音節表」を見て発音の練習をします。
》 音節表 (wikipedia)
400通りの発音があるので、発音の練習は大変です。



うまく発音ができなくて、勉強をやめてしまう人も…。
ただ、発音の練習が終わればかなり楽になりますから、コツコツ練習を続けていきましょう。



中国語の発音は、ほとんどの人がつまずきます。
私も何回、間違いを指摘されたことか…。
コツコツ練習すれば大丈夫です。
中国語の始め方


では、中国語を始めるための準備をしていきましょう。
STEP1:参考書を1冊買ってみる
まずは、一冊参考書を入手するところから。
初心者向けの中国語の参考書はたくさんありますが、個人的におすすめなのは以下の本です。
テキストが大きくて見やすいだけでなく、ひとりで勉強できるように分かりやすく説明されています。
こちらの本を最後までやり通すことができたら、すでに中国語の基礎知識は身についているはず。
一人で勉強するなら、テキストはなるべく易しいものがいいです。
まずは一人で学習を進めてみてください。
(ちなみに『初心者におすすめの本』は、【超初心者向け】中国語をゼロから始める人にオススメの参考書2冊でも紹介しています。)
STEP2:中国語キーボードを追加
次は、スマホやパソコンで中国語を入力できるように中国語キーボードを追加しておきましょう。
中国語の勉強を始めると、スマホやパソコンで中国語入力が必要な場面も出てきます。
Android11 で中国語を入力する方法は、Android 11 で中国語入力する方法で紹介しています。
PCに中国語キーボードを追加する方法は、下記の記事が参考になります。
STEP3:「手書き入力」機能を使えるようにしておく
中国語キーボードを設定するだけでなく、スマホやPCで手書き入力もできるようにしておきましょう。
中国語の勉強をし始めると、『漢字は分かるけど、ピンインが分からない』というケースに出くわします。
その時は、スマホやPCの「手書き入力」機能が断然便利。
キーボードを追加するときに「ピンイン」と「手書き」の両方にチェックを入れておけば OK です。
私は中国語の学習をするとき、次の組み合わせで使うことが多いです。
- スマホかタブレット (手書き入力)
- パソコン (ピンイン入力)



「手書き」と「ピンイン」に切り替えるのは結構面倒なので、「2台使い」をオススメします。
ちなみに Google翻訳を使うときは、「手書き入力」の設定は不要です。
Google翻訳で、言語を「中国語」に設定すると、入力方法として「中国語(簡体字、中国)- 手書き入力」という選択肢が表示されます。


STEP4:無料辞書アプリ・サイト
語学の学習には、辞書は必須ですよね。
でも、紙の辞書や電子辞書を買う必要はありません。
無料で使える辞書サイトや辞書アプリがありますから、それを使いましょう。
私は、下記で紹介している辞書しか使っていません。
パソコンの場合
中国語の意味を調べたいときは、『Weblio』だけで十分です。
おすすめの中国語辞書サイト
- Weblio 日中・中日辞典 (まずはこの一つでOK)
- 中日辞書 北辞郎 (流行語も含めて調べたいとき)
- Google 翻訳 (ピンインを調べたり、文章を翻訳したいとき)
- DeepL (文章を翻訳・作成するとき)
スマホの場合
スマホで中国語辞書を使うなら、下記のアプリだけで十分です。
Android ユーザー向け
iOS ユーザー向け
STEP5:YouTube で中国語の番組を見る
参考書を読み、中国語の入力方法が分かったとしても、それだけではあまり面白くありませんよね…。
中国語を学ぶなら、「楽しく学べるモノ」を用意しておくのが重要。
今は中国語の YouTube 番組がたくさんありますから、ぜひ YouTube を活用してみてください。
ここでは、代表的な中国語YouTube番組を紹介します。
基礎から始める中国語(李姉妹ch)
人気YouTuber李姉妹の中国語講座です。
有名なのですでにご存じかもしれませんが、中国語を身近に感じることができるおすすめの番組です。
ヤンチャンCH
四川出身の日本在住YouTuber ヤンチャンの番組です。
中国語学習に役立つコンテンツが多いので、単純に面白いだけでなく、中国語の勉強にも最適です。
我住在这里的理由(私がここに住む理由)
南京在住の日本人、竹内亮さんの番組です。
中国で暮らしている日本人、日本に暮らしている中国人に、そこに住む理由を尋ねるドキュメンタリーです。
日本にいる中国人の方も、中国にいる日本人の方も、両方応援したくなる番組です。
中国語がちょっと難しいですが、日本語字幕があるので大丈夫ですよ。
Mr Sun Mandarin
これは、完全に「勉強系」YouTube番組。
一部英語で訳が表示されているところもありますが、基本的にはオール中国語。
漢字・ピンイン・音声が同時に確認できるので、準4級、HSK1級を目指す方におすすめです。
中国語初級講座(青島日美外語専修学校)
こちらも、完全に「勉強系」YouTube番組。
中国の青島にある中国語学校の動画です。初級編だけでも157本の動画があります。
中国に留学して勉強していた若かりし日を、思い出します。
といっても、当時すでに30歳くらいでしたが(笑)
STEP6:目標を立てる
中国語を始めるなら、何か目標を立てましょう。
個人的におすすめなのは、『中検準4級』です。
中国語検定準4級は、大学の第二外国語で中国語を学ぶ人が半年程度の学習で合格できるレベル。
文法、単語、発音、リスニングの基礎を総合的に学ぶ必要があるので、最初の目標としては最適です。
中国語検定試験は、毎年3月、6月、12月の第4日曜日
※準4級には、スピーキングのテストはありません。
合格するための勉強方法については、下記の記事を参考にしてくださいね。
中国語が分かると、できるようになること


中国語が分かるようになると、ニュースを見たり、動画を見たり、いろんなコンテンツを楽しめるようになります。
例えばこんな楽しみ方があります。
中国の今を知る
中国語を勉強する理由の一つ、それは「中国の今」を知ることではないでしょうか。
インターネット上に中国語の情報はたくさんあるのですが、「中国語なので読めない…」と感じている方も少なくないのでは?
中国語が理解できれば、ネット上の多くの情報を読むことができます。
中国の国営放送「CCTV」も、インターネットで視聴できますよ。
中国の音声コンテンツを楽しむ
中国で人気の音声メディアといえば、「喜马拉雅」。カタカナ読みすると「シマラヤ」。
中国語上級者でも聞き取るのはかなり難しいのですが、「中国の今」を感じるには最適です。
中国語の原書を読む
中国語の勉強がある程度進んだら、中国語の原書にもチャレンジしてみてください。
ただ残念なのは、中国語の原書を手に入れるのは一般書店では困難なこと。
東京近郊にお住まいの方は、神保町(東京)にある『内山書店』や 『東方書店』に足を運んでみてください。
地域によっては、地元の図書館に中国語の本を置いているところもありますので、図書館でも探してみてください。
さらに、大学の図書館にも中国語の原書が置いてあるので、大学図書館を利用できる方は、大学も利用してみてください。
中国語を仕事に活かす
中国語で商談するなら、中国語検定2級以上は必要です。
ただ簡単な中国語ができるだけでも、中国人とのビジネスはやりやすくなります。
中国社会は「グワンシ (関係)」が重要。簡単な中国語できるだけでも、相手との距離が縮まりますよ。
私は仕事で英語をメインに使っていましたが、中国出張に何回か行くことがあり、中国語で話しかけたら非常に親切にしてもらえました(笑)
Q&A


ここでは、よくある質問に回答しましょう。
中国語は難しい?
私は中国語と英語と両方勉強してきましたが、英語と比べると中国語は日本人には簡単です。
「中国語は漢字」なので、日本人には非常に有利です。
文法は英語に似ていますが、英語のように動詞の活用形を覚える必要もありません。
英語に挫折した経験がある方も、ぜひ中国語に挑戦してみてください。
英語と中国語、勉強するならどっちがおすすめ?
どちらもおすすめです(笑)
ただ、仕事で活かしやすいのは「英語」です。
「英語を活かす求人」と「中国語を活かす求人」では、圧倒的に「英語を活かす求人」の方が多いです。
仕事で語学を活かしたいなら、まずは「ビジネス英語」を学び、その後で中国語を始める方がいいかと思います。
中国関連の仕事をするといっても、英語ができれば何とかなるケースが多いです。
中国語の学校に行かないと、中国語はマスターできない?
中国語の独学は可能です。
ただし、発音だけは、ネイティブから教わることをおすすめします。
ピンインには約400通りの組み合わせがあり、日本語の50音では表現できないものがたくさんあります。
日本語にはない発音を独学で学ぶのは、かなり至難の業です…。
- 単語:独学可能
- 文法:独学可能
- リスニング:独学可能
- 発音、スピーキング:独学は難しい
もう少し本格的に勉強したいときは、どうすればいい?
独学で一通り勉強をした後、もう少し本格的に勉強したいと思ったら、ネイティブと会話練習を始めてみましょう。
なるべく安く習うなら、1レッスン2,000円前後で、入学金・教材費不要なスクール(『産経オンライン英会話Plus
安すぎるスクールだと、教えるのに慣れていないアルバイトレベルの講師もいるので、要注意です。
対面式とオンライン形式、勉強するならどちらがいい?
コロナ禍でマスク必須の場合は、オンラインレッスン一択です。
マスクを着用していると、発音の練習時に口元が見えないからです。
中国語の発音の練習は、先生の口元を見ながら練習しますが、「口の形」や「舌の位置」が非常に重要です。
おわりに:まずは一冊買って、チャレンジ!
この記事では、『中国語の勉強を始める6ステップ』を紹介しました。
- 参考書を1冊買って、読んでみる
- 中国語キーボードを追加する
- 辞書アプリを準備する
- 手書き機能をマスターする
- YouTube で中国語の番組を見てみる
- 目標を立てる
中国語は、日本人にとっては簡単な外国語です。
ぜひ参考書を一冊買ってみて、中国語に挑戦してみてください。個人的にオススメなのは、以下の本です。
YouTubeを始め、無料で使えるアプリ・サイトはいろいろあります。
いろんなツールを利用して、気軽にチャレンジしてみてみてくださいね!